【ロシアIT】便利すぎる!ロシアのFinTech

皆さん、こんにちは。テクノソリューションです。

昨今の日本では、様々なFinTechサービスが生まれています。 「スマホ決済」や「割り勘管理」から「投資」、「仮想通貨」など多様なサービスがありますね。また、FinTechサービス間の競争も激化しており、「ペイ戦争」とまで呼ばれています。

FinTechが盛り上がっているのは、実は日本だけではありません。 お隣の国、ロシアでも便利でイノベーティブなサービスが開発されています。今回のブログでは、具体的にどのようなサービスがあるのか、いくつかの例を紹介していきます!

ズベルバンク

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ズベルバンク
(引用:https://www.sberbank.ru/ru/person

始めに紹介するのが、ロシア最大の銀行「ズベルバンク (Сбербанк)」です。大企業からイノベーションは起きないという印象があるかもしれませんが、ズベルバンクはその考えを真正面から壊してきます。

ズベルバンクの優れている点は、まず、スマホアプリにあります。 アプリには、手帳、送金、オンライン決済、QR決済など様々な機能が組み込まれています。特に、送金サービスは使い勝手がよく、ズベルバンクの利用者同士でしたら、電話番号で瞬時に行うことができます。

スマホアプリ以外にも、面白いサービスがあります。 それは「ズベルバンク TapOnPhone」です。MasterCardと提携して開発をしているサービスで、タッチ決済機能のついたクレジットカードをスマホにかざすだけで、支払いが行えるというものです。 2020年4月現在、まだ開発中ではありますが、サービス利用開始後は、現金なしで活動できる範囲がかなり広がると思います。

少々話がずれますが、ズベルバンクはアメリカの有名アクセラレーター「500 startups」と提携したコーポレーションアクセラレーションプログラミングを毎年開催しています。 そのため、今後もどんどんイノベーティブな製品が開発されていくことが期待できます。

高速送金システム「SBP」

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高速送金システム SBP
(引用:https://cbr.ru/Press/event/?id=2377

次に、高速送金システム「SBP (Система быстрых платежей, СБП) 」です。ロシア連邦中央銀行が中心となり開発されたシステムで、2019年から利用が開始しました。名前のとおり、瞬時に送金や決済をすることができるサービスです。

1番の特徴は電話番号でやり取りができるという点です。 SBPに対応した銀行のアプリで、送り先相手の電話番号を入力するだけで、瞬時に引き落としと送金が完了します。

サービスは、24時間365日利用可能であり、通常の送金よりも手数料が低いという点も魅力的です。また、ロシア国内の50以上もの銀行でサービスが導入されているため、SBPが使えないということは少ないと思います。

QIWI

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QIWI
(引用:https://corp.qiwi.com/business/connect/logotype.action

QIWIはロシアやCIS諸国を中心に事業を展開するFinTech企業です。 創業された2008年から、QIWIの武器となっているサービスがオンライン決済です。

このオンライン決済サービスは、様々なところ活用されています。 オンラインショッピングやゲームの決済はもちろん、インターネット使用料、住宅サービス、給与支払に対しても、QIWIを介した取引が可能です。

特に、携帯電話の通信料金への支払いが便利です。ロシアは、基本的にプリペイド方のSIMカードを利用しますが、通信料金のチャージやプランの変更がアプリからワンタッチですぐに可能です。

今、QIWIはグローバルな市場へ挑戦しています。日本にQIWIが上陸するのもそう遠くはないのかもしれませんね。

Tinkoff Bank

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Tinkoff Bank
(引用:https://www.tinkoff.ru/about/brand/ )

最後に、「Tinkoff Bank (Тинькофф Банк)」です。 Tinkoff Bankは「ネオバンク」と呼ばれる形態を取った銀行です。

ネオバンクとは、簡単に説明すると、「支店を持たず、オンライン上でサービスを提供する銀行」です。 Tinkoff Bank もお金の管理や送金はスマートフォンアプリやインターネットサイトから行えます。お金の入金や引き下ろしに関しては、パートナー契約を結んだATMや専用の機械からでも行えます。

また、ネオバンクは、支店を持たないゆえに、さまざまな費用を減らすことができます。そのため、ユーザーは低い手数料で多くのサービスを受けることが可能です。 例えば、Tinkoff Bankでは 1月当たり、約40,000万円(20,000ルーブル)まで他銀行への送金手数料が無料 毎月約600,000万円(300,000ルーブル)以下まで銀行への入金手数料が無料 1月あたり、約300,000万円(150,000ルーブル)まで引き下ろし手数料が無料 といった料金体系になっています。

安くて便利なTinkoff Bankの今後の活躍が楽しみですね。

まとめ

ロシアにも、先進的なFinTechサービスが多いことがわかったでしょうか? ここで紹介しきれなかったユニークなサービスもロシアにはまだまだあります。

このようなイノベーションがロシアで次々と生まれる背景には、もちろん国を上げて「デジタル経済化」に取り組んでいる、といった要素もあると思います。 しかし、それだけではなく、便利なサービスを作り出すという心意気や、ユニークなアイデアを考える想像力、新しい市場を創出する規制緩和、そしてそれらを支える技術力もあったからこそ、イノベーションが生まれたのだと思います。

ロシアのそういった姿勢から、私たちも学ばなければならないことも多いのではないでしょうか。

参考資料