【コロナウイルス】ロシアテック業界のコロナウイルス対策まとめ

※このブログではCOVID-19(新型コロナウイルス)に関する内容が含まれています。

みなさん、こんにちは。テクノソリューションです。

コロナ禍の今、世界の様々な企業がワクチンの開発や、医療機器の支援、感染モデルの分析などについて取り組んでいます。

ロシアのテック企業も、例外ではなく多数の企業がこの危機を乗り越えようと、研究開発などに取り組んでいます。

今回のブログでは、ロシアのIT業界が新型コロナウイルスに対してどのように挑んでいるのかを紹介していきます。

IT

Yandex

Yandex (Яндекс)は、ロシアとその周辺諸国向けの検索エンジンを提供している会社です。Yandexは、ロシア、そして世界の感染者数を表示する地図の提供をしています。

この地図には新規感染者数、死亡者数、回復者数などがリアルタイムに表示されます。

Credentia

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引用:https://credentia.ru/

Credentiaは、法的に認められたデジタル書類の作成、発行、保存などを手掛ける企業です。現在は、HygieneGapというQRコードを使ったデジタルの健康状態証明書を提供しており、自身の体調の証明などに利用することが可能です。

Mepidemics

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Mepidemicsのアプリと専用デバイス
(引用:https://ru.mepidemics.com/

Mepidemicsは、オフィスなどの部屋を監視し、コロナウイルス感染の危険がないか知らせてくれるアプリケーションです。 MepidemicsはGPSではなく、専用の小型機械を利用して周りの状況を把握します。また、集められたデータは第三者に送信されることはなく、その点についても安心できます。

BioTech

Medical Biological Union

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引用:https://mbunion.com/

Medical Biological Union (Медико-Биологический Союз)は、バイオ・医療業界で様々な研究開発を行う会社です。特に診断学に強みがあります。 Medical Biological Unionは、喉や鼻の粘液からコロナウイルスに感染したかを15分ほど分析できる、高速検査キットを開発しました。

SistemaBioTech

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引用:http://sistemabiotech.com/

SistemaBioTech (Система-Биотех) も、コロナウイルス検査キットを開発した会社です。検査結果は、2時間ほどで知ることができます。90%~95%というかなり高い割合で正確な結果を得られるそうです。

National BioService

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引用:http://www.nbioservice.com/en/

National BioService (Национальный БиоСервис)は、ロシアにおけるバイオテクノロジーのインフラを目指す企業です。バイオテクノロジー分野における研究、開発、分析や、研究用の道具や製品の開発をしています。コロナ禍の現在は、ワクチンやテストといった研究を加速させる製品やシステムの提供をおこなっています。

AI

ズベルバンク

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引用:https://www.sberbank.ru/ru/person

ズベルバンク (Сбербанк)は、ロシアの最大手銀行です。ズベルバンクは、MedTechスタートアップ DOCDOCと協力し、オンライン検査を提供しています。また、数学的モデルを活用し、コロナウイルスの感染拡大を予想するAIを開発しました。

Gero

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引用:https://gero.ai/

Geroは、薬開発を支援するAIサービスを提供する企業です。 コロナウイルスに対しても、上記のプラットフォームを利用し解析、新薬の模索をしています。その結果、ウイルスに効き目のある可能性をもった新薬を開発することができたそうです。現在は、新薬の臨床実験等を行っています。

VisionLabs

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引用:https://visionlabs.ai/

VisionLabsは、画像処理やコンピュータービジョンといった分野の研究開発をしているロシアの企業です。 VisionLabsが開発した「VisionLabs TERMO」は、体温計を直に使うことなく体温を測ることができるプラットフォームです。最大で40人まで同時に体温を測ることができ、誤差はだいたい0.2℃ほどだそうです。

まとめ

ロシアでは、このように多くの企業がコロナウイルスに対抗すべく新しいサービスや製品の研究開発を進めています。

これらのサービスの中から、現状を打破するサービスや製品が現れると良いですね。 ここで紹介しきれなかった企業もまだ多いので、今後、他の企業についても紹介していきたいと思います。

参考サイト

【ロシアIT】とてもユニーク⁉ ロシアのHealthTech

皆さん、こんにちは。テクノソリューションです。

皆さんはHealthTechといった言葉を聞いたことがあるでしょうか。 Health と Technology をあわせて作られた造語で、医療やヘルスケアとITをかけ合わせたサービスを指す言葉です。

ヘルスケア分野への関心の高まりからHealthTechのニーズも上がってきており、世界で画期的なサービスが生まれています。

今回の記事では、ロシアで注目を受けるHealthTechサービスを紹介していきます。

DOCDOC

DOCDOCは、ロシアの最も成功しているHealthTech、MedTech スタートアップの1つです。既に、ロシア14の地域でサービスが展開されており、利用者は250万人を超えています。 DOCDOCは、医者や病院のオンライン予約サービスを展開しています。スマートフォンアプリやパソコンからの利用が可能です。

DOCDOCのアプリ
(引用:https://docdoc.ru/

このサービスの特徴は、医者へのレビューが可能な点です。そのため、利用者はより良いサービスを受けることが可能となっています。また、混雑状況を見ながら予約できるなどのオンラインならではの利点もあります。 DOCDOCの今後の成長に期待したいです。

Cardio QVARK

Cardio QVARKは、スマート心電計を提供するスタートアップです。Cardio QVARKが開発した、専用の心電計をスマートフォンに装着した状態で専用アプリを開くことで利用することが可能です。

心電図以外にも、血圧や血中グルコース量など様々な記録を付けることが可能です。 また、データは自動的に医療機関へ送られ分析されます。もし、データから体の不備が見つかった場合は、すぐに知らせてくれます。 いまだロシアでのみサービスが展開されていますが、今後日本を含めた世界で利用可能になると良いですね。

C track

C trackは、Iziterm (Изитерм) が開発した、赤ちゃん向けのスマート体温計です。 赤ちゃんの体にのせるだけで利用可能なため、簡単に体温が測ることが可能です。測った体温は、スマートフォンアプリから確認、管理可能です。体温の異常が検知された場合は、すぐにスマートフォンから通知が入ります。

Izitermが開発したC track
(引用:https://izitherm.ru/index.php/en/

C trackは医療機関で安全性が確認された素材で作られており、アレルギー反応等は起きづらく、口に入れても安全な設計になっています。 日本でも、C trackで赤ちゃんの健康を簡単に管理できるようになると良いですね。

welltory

welltoryは、「時間ではなく、エネルギーマネジメントをしよう!」というスローガンを掲げる、ストレスチェックサービスです。 スマートフォンのカメラに指を当て、心拍数を測り、その結果からユーザーのストレス度を計測します。計測結果は自動的にグラフ等にまとめられ、簡単に分析結果を知ることができます。

welltoryのエネルギーマネジメントアプリ
(引用:https://welltory.com/

料金体系は、無料と有料の2種類のプランがあります。無料プランの場合は、ストレス計測機能のみ利用することが可能です。有料プランの場合は、月々約1,000円で、ストレス計測に加え、ストレスに関するオンラインレクチャー動画の視聴や、専門家とのチャット機能なども利用可能です。 AndroidiPhoneで利用可能です。ぜひ、みなさんもエネルギーマネジメントを開始してみてはいかがですか?

まとめ

このように、魅力的なHealthTechサービスがロシアにも多く存在します。 健康支援へのニーズが高まる現在、このようなサービスはロシアでもどんどん増えていくと思います。 テクノソリューションでは、そういった企業と協力し、日本でのサービス展開を手がけたり、共同研究開発をしたりと日露ITの発展に貢献していきたいと考えております。

また、テクノソリューション自身もヘルスケア分野に関する研究開発を行っています。 ロシアのHealthTechサービスに負けないような製品を開発できるよう努めていきます。

参考サイト

https://tceh.com/post/health-tech-invest/

【メンバー紹介】インタビュー|田中勇真(アルバイト)

皆さん、こんにちは。テクノソリューションです。

テクノソリューションではアルバイトとして働く学生もいます。そんなアルバイトの皆さんにもインタビューをしました。

インタビュー第5弾では、山口県からオンラインで開発に参加している田中くんについて紹介いたします。

tanaka
アルバイトの田中くん

テクノソリューションではどのような業務をしていますか?

健康登山アプリの値処理の部分を担当しています。

普段は何をしていますか?

山口県で機械系の高専生をしています。 3DプリンターVR、IoTなどに興味があり幅広く遊んでいます。

テクノソリューションでアルバイトを始めた動機はなんですかあ?

オンラインイベントに登壇しながらリモートワークの案件を探していたのですが、IoTLTのイベントでちょうど坂口さんが健康登山アプリに関するLTとともに新規メンバーの募集をしていたので、すぐに交渉をはじめてイベントの1週間後にはコミットしていました。

他のアルバイトと比べた、テクノソリューションの特徴はなんですか?

中小企業だからこそ皆が対等に議論しあいながらプロジェクトを勧められるところだと思います。個人の責任が大きい分、自分も日々勉強しながら喰らいついていっております。

どのような人がテクノソリューションのアルバイトに向いていると思いますか?

思い付きを事業に変えられる人。自分も技術のみに徹しがちになりますが、会社は分野にとらわれず常に新規事業を探っているので、挑戦的な人にはおすすめです。

あなたの今後の目標、挑戦、夢はなんですか?

魅力的なアイデアを形にしていきたい。あらゆる技術に触れ、知的好奇心を満たしつつ、人の役に立ちたい。個人に合ったプロダクトを消費者が自ら作っていける「自産自消」の社会を実現したい。1人では生きていけない世界で1人で生きていくためのものを作りたい。

ブログの読者に一言よろしくおねがいします。

私のブログも見てください(笑)http://blackuma.hatenablog.com/ 本当になんでスマホアプリ開発してるんだ?という感想を抱けることと思います!


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テクノソリューションでは、一緒に働く仲間を募集しています。
ご興味を持たれた方は、ぜひご連絡お願いいたします。

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【メンバー紹介】メンバー紹介|松浦瑠希(アルバイト)

皆さん、こんにちは。テクノソリューションです。

テクノソリューションではアルバイトとして働く学生もいます。そんなアルバイトの皆さんにもインタビューをしました。

インタビュー第4弾は、早稲田大学の学生である松浦くんについて紹介いたします。

matsuura
アルバイトの松浦くん
写真はロシア留学中に訪れたヴォルゴグラードで撮影したもの

テクノソリューションではどのような業務をしていますか?

ロシア留学経験があるので、ロシアITについてのリサーチなどをしています。 また、テクノソリューションのHPやブログ等の改善や運営といったことに取り組んでいます。

普段は何をしていますか?

何かしらの勉強をすることが多いです。文理混合の学部で勉強をしているのですが、理系科目があまり豊富ではないので、数学やプログラミングなどの自習をしています。 あとは、友人とロシアアパレルブランドやロシアメディアを展開しています。

テクノソリューションでアルバイトを始めた動機はなんですかあ?

ロシア留学中に坂口さんと出会ったことがきっかけです。 帰国後に、坂口さん含め皆さんに「テクノソリューションでインターンをしたい」というわがままを聞いてもらい、そのままアルバイトとして働かせてもらうことになりました。

他のアルバイトと比べた、テクノソリューションの特徴はなんですか?

「アルバイトだから、、、」といった区別がないことです。 アルバイトでも正社員と同じように自分の意見を伝えられる環境が整えられていると思います。

どのような人がテクノソリューションのアルバイトに向いていると思いますか?

アルバイトと正社員の垣根がないからこそ、主体性が求められると思います。自分には、引っ込み思案なところがあるので、それの矯正になっています。笑 あとは、ユニークなアイデアを思いつけるような、引き出しの多い人も向いているのかなとも思います。

あなたの今後の目標、挑戦、夢はなんですか?

ITといった分野で、ロシアと日本をつなぐ架け橋になるような仕事をしたいです。 まだ具体的なアイデアはないので、まずはどんなことができるかを模索していきたいと思います。 今は、それに向けて勉強あるのみです。

ブログの読者に一言よろしくおねがいします。

このブログを通して、ロシアITに関する情報を書くことが多いです。 今後も、面白い記事をかけるよう頑張るので、よろしくお願いいたします! 感想やロシアITについて知りたいことなどがありましたら、コメント等もお願いいたします。


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【ロシアIT】便利すぎる!ロシアのFinTech

皆さん、こんにちは。テクノソリューションです。

昨今の日本では、様々なFinTechサービスが生まれています。 「スマホ決済」や「割り勘管理」から「投資」、「仮想通貨」など多様なサービスがありますね。また、FinTechサービス間の競争も激化しており、「ペイ戦争」とまで呼ばれています。

FinTechが盛り上がっているのは、実は日本だけではありません。 お隣の国、ロシアでも便利でイノベーティブなサービスが開発されています。今回のブログでは、具体的にどのようなサービスがあるのか、いくつかの例を紹介していきます!

ズベルバンク

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ズベルバンク
(引用:https://www.sberbank.ru/ru/person

始めに紹介するのが、ロシア最大の銀行「ズベルバンク (Сбербанк)」です。大企業からイノベーションは起きないという印象があるかもしれませんが、ズベルバンクはその考えを真正面から壊してきます。

ズベルバンクの優れている点は、まず、スマホアプリにあります。 アプリには、手帳、送金、オンライン決済、QR決済など様々な機能が組み込まれています。特に、送金サービスは使い勝手がよく、ズベルバンクの利用者同士でしたら、電話番号で瞬時に行うことができます。

スマホアプリ以外にも、面白いサービスがあります。 それは「ズベルバンク TapOnPhone」です。MasterCardと提携して開発をしているサービスで、タッチ決済機能のついたクレジットカードをスマホにかざすだけで、支払いが行えるというものです。 2020年4月現在、まだ開発中ではありますが、サービス利用開始後は、現金なしで活動できる範囲がかなり広がると思います。

少々話がずれますが、ズベルバンクはアメリカの有名アクセラレーター「500 startups」と提携したコーポレーションアクセラレーションプログラミングを毎年開催しています。 そのため、今後もどんどんイノベーティブな製品が開発されていくことが期待できます。

高速送金システム「SBP」

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高速送金システム SBP
(引用:https://cbr.ru/Press/event/?id=2377

次に、高速送金システム「SBP (Система быстрых платежей, СБП) 」です。ロシア連邦中央銀行が中心となり開発されたシステムで、2019年から利用が開始しました。名前のとおり、瞬時に送金や決済をすることができるサービスです。

1番の特徴は電話番号でやり取りができるという点です。 SBPに対応した銀行のアプリで、送り先相手の電話番号を入力するだけで、瞬時に引き落としと送金が完了します。

サービスは、24時間365日利用可能であり、通常の送金よりも手数料が低いという点も魅力的です。また、ロシア国内の50以上もの銀行でサービスが導入されているため、SBPが使えないということは少ないと思います。

QIWI

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QIWI
(引用:https://corp.qiwi.com/business/connect/logotype.action

QIWIはロシアやCIS諸国を中心に事業を展開するFinTech企業です。 創業された2008年から、QIWIの武器となっているサービスがオンライン決済です。

このオンライン決済サービスは、様々なところ活用されています。 オンラインショッピングやゲームの決済はもちろん、インターネット使用料、住宅サービス、給与支払に対しても、QIWIを介した取引が可能です。

特に、携帯電話の通信料金への支払いが便利です。ロシアは、基本的にプリペイド方のSIMカードを利用しますが、通信料金のチャージやプランの変更がアプリからワンタッチですぐに可能です。

今、QIWIはグローバルな市場へ挑戦しています。日本にQIWIが上陸するのもそう遠くはないのかもしれませんね。

Tinkoff Bank

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Tinkoff Bank
(引用:https://www.tinkoff.ru/about/brand/ )

最後に、「Tinkoff Bank (Тинькофф Банк)」です。 Tinkoff Bankは「ネオバンク」と呼ばれる形態を取った銀行です。

ネオバンクとは、簡単に説明すると、「支店を持たず、オンライン上でサービスを提供する銀行」です。 Tinkoff Bank もお金の管理や送金はスマートフォンアプリやインターネットサイトから行えます。お金の入金や引き下ろしに関しては、パートナー契約を結んだATMや専用の機械からでも行えます。

また、ネオバンクは、支店を持たないゆえに、さまざまな費用を減らすことができます。そのため、ユーザーは低い手数料で多くのサービスを受けることが可能です。 例えば、Tinkoff Bankでは 1月当たり、約40,000万円(20,000ルーブル)まで他銀行への送金手数料が無料 毎月約600,000万円(300,000ルーブル)以下まで銀行への入金手数料が無料 1月あたり、約300,000万円(150,000ルーブル)まで引き下ろし手数料が無料 といった料金体系になっています。

安くて便利なTinkoff Bankの今後の活躍が楽しみですね。

まとめ

ロシアにも、先進的なFinTechサービスが多いことがわかったでしょうか? ここで紹介しきれなかったユニークなサービスもロシアにはまだまだあります。

このようなイノベーションがロシアで次々と生まれる背景には、もちろん国を上げて「デジタル経済化」に取り組んでいる、といった要素もあると思います。 しかし、それだけではなく、便利なサービスを作り出すという心意気や、ユニークなアイデアを考える想像力、新しい市場を創出する規制緩和、そしてそれらを支える技術力もあったからこそ、イノベーションが生まれたのだと思います。

ロシアのそういった姿勢から、私たちも学ばなければならないことも多いのではないでしょうか。

参考資料

【ロシアIT】ロシアの学園都市が羨ましい

皆さん、こんにちは。テクノソリューションです。

皆さんは、「茨城県にある筑波学園都市のモデルとなった学園都市がどこにあるか」、ご存知ですか? 答えは、ロシアのノボシビルスク市にある「アカデムゴロドク (Академгородок)」です。

世界的な注目も受けるアカデムゴロドクですが、一体なにが優れているのでしょうか。 このブログでは、アカデムゴロドクがすごいと言われる理由を説明していきます。

アカデムゴロドクとは?

アカデムゴロドクとは、大学・研究機関・スタートアップ企業・イノベーション支援機関などが集まったロシアの学園都市です。 シベリアの首都と言われる、ロシア第3の都市「ノボシビルスク市 (Новосибирск)」の郊外に位置します(市内中心部から車で約45分〜60分)。

シベリアと極東地域における科学技術の発展のため、ソ連科学アカデミー(現ロシア科学アカデミー)によって、1958年から建設が始まりました。現在では、約30以上の研究機関が所在しています。

アカデムゴロドクにある施設

ノボシビルスク国立大学

ノボシビルスク国立大学 (Новосибирский Государственный Университет)」は、アカデムゴロドクにある代表的な大学です。名門大学として、ロシア国内でも有名です。

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ノボシビルスク国立大学

大学には、

  • 工学・数学部
  • 物理学部
  • 自然科学部
  • 地質学・地球物理学部
  • 経済学部
  • 情報技術学部
  • 人文学部
  • 国語学
  • ジャーナリズム学部
  • 心理学部
  • 哲学部
  • 法学部
  • 医学部

の13の学部が設けられています。


ノボシビルスク国立工科大学

ノボシビルスク国立工科大学 (Новосибирский Государственный Технический Университет)」も、アカデムパークを代表する大学です。 ロシア内の最も優れた工科大学の1つでもあります。

大学には、

  • 機械・計算機科学部
  • 航空学部
  • 機械工学部
  • 自動化・機械学部
  • 応用数学・情報学部
  • 無線・電気学部
  • 理工学部
  • エネルギー工学部
  • ビジネス学部
  • 人文科学部

の10学部があります。


テクノパーク「アカデムパーク」

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テクノパーク「アカデムパーク」

テクノパーク (Технопарк)」とは、ロシア全土にある国立のイノベーション支援機関です。 インキュベーション、アクセラレーションサービスを主に提供しており、ユニークなスタートアップ企業が多数入居しています。

「アカデムパーク (Академпарк)」は、アカデムゴロドク内にあるテクノパークです。 IT・計装・バイオテクノロジーナノテクノロジーの4つの領域に集中しています。 スタートアップ以外にも、国内外の有名企業も研究開発を行っています。

アカデムゴロドクのここがすごい!

アカデムゴロドクの特徴は、学園都市という性格を生かした「横の繋がり」の強さにあります。大学・研究機関・イノベーション支援機関の間でのコミュニケーションが盛んです。

例えば、ノボシビルスク国立大学には、学生起業プログラムがあります。参加した学生は、アカデムパークのインフラを活用したり、入居するスタートアップ企業と共同研究を行うことができます。そのため、学生のうちから実践的なビジネスに携わることができます。

また、アカデムゴロドクに所在するスタートアップ企業の多くが大学と産学連携を結んでいます。大学で生まれた最新の研究成果をすぐに取り入れる仕組みができています。 アカデムパークも、ノボシビルスク工科大学などと提携をしています。そのため、大企業だけでなくスタートアップや中小企業でも、最新技術を用いた開発を行うことができます。

まとめ

様々な企業・大学・研究機関が集まるアカデムゴロドクには、優秀な人材(研究者・技術者・学生)が行き交う環境やイノベーションを生み出すためのエコシステムが整えられています。日本も見習うべき点が多いのではないでしょうか。

テクノソリューションでは、ノボシビルスク国立大学や工科大学等と協力し、IT教育プログラムの開発を行っています。日本の学生をアカデムゴロドクに派遣し、実践的なロシア式IT学習を行えるようなプログラムの提供も計画しております。

ロシアITに興味を持った皆さん、プログラムが完成した暁には、ぜひ参加してみてください。


参考サイト

1. https://novo-sibirsk.ru/about/akademgorodok/
2. http://nsk.novosibdom.ru/node/355
3. http://academgorodok.info/index.php?view=city&ct=history

【ロシアIT】ロシア人によって作られた有名ソフトウェアをまとめてみた

皆さん、こんにちは。テクノソリューションです。

ロシアは隠れたIT国家です。 優秀なエンジニアや学者が多く、AIなどの先端技術の研究や導入も盛んです。 また、最近ではオフショア開発の受託先としても注目されています。

しかし、「ロシア人エンジニアは優秀だ」と言われてもあまり実感が湧きませんよね? そこで、今回はロシア人によって開発された世界的な有名ソフトウェアを紹介していきます。

カスペルスキー

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カスペルスキー
(引用:https://www.kaspersky.co.jp/

まず最初に、セキュリティソフト「カスペルスキー」です。 カスペルスキーがロシアのソフトウェアだということを知っている人は多いのではないでしょうか?

モスクワに本社を構えるカスペルスキー社(ЗАО «Лаболатория Касперского»)が提供するアンチウイルスソフトで、200の国と地域でサービス展開されています。

開発者は、ユージン・カスペルスキー (Евгений Касперский)です。コンピューターウイルスについての研究が発端となり、後にセキュリティーソフトの開発・起業へと繋がっていきました。

先端技術の導入も積極的に行っており、機械学習を利用した悪意のあるファイルの検知などの研究を行っています。

Nginx

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Nginx
(引用:https://www.nginx.com/

次に、Webサーバーソフト「Nginx」です。 2019年にアメリカのF5ネットワークスによって買収されてしまいましたが、もともとはロシアで開発されたソフトェアです。

Nginxは当初、ロシアの検索エンジン「Rambler (Рамблер)」のインフラを支えため、イーゴリ・シソエフ (Игорь Сысоев) によって2004年に開発されました。 ちなみに、彼は、ロシアの名門校「バウマン記念モスクワ国立工科大学 (Московский государственный технический университет им. Н. Э. Баумана)の出身です。

Nginxは順調にシェアを伸ばしていき、ついに、2019年には世界シェア1位のWebサーバーとなりました。

Telegram

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Telegram
(引用:https://telegram.org/

最後にTelegramです。 日本ではあまり馴染みがないですが、世界で約2億人のユーザーを抱える人気チャットアプリです(LINEとほぼ同数のユーザー数)。

ニコライ・デューロフ (Николай Дуров) (兄)とパーヴェル・デューロフ (Павел Дуров) (弟)の2人によって開発されました。もともと2人はロシア版Facebookとして有名なVkontakte (Вконтакте) を創業・運営していました。しかし、2014年のウクライナ騒動のさなか、ロシア政府による反露派の個人情報開示の要求を受けなかったため、Vkontakteから追放されてしました。その後、「検閲等を受けることなく、自由で安全なやりとりをする」ことを目的に、Telegramの開発をはじめました。

ちなみに、デューロフ兄弟は名門「サンクト・ペテルブルク国立大学 (Санкт-Петербург Государственный Университет)」出身です。現ロシア大統領ウラジーミル・プーチン (Владимир Путин)」の出身校としても有名です。

Telegram創業の理由からも分かる通り、セキュリティがとても強固です。 また、最近ではブロックチェーンTONや、電子通貨GRAMなどの開発を行っているそうです。

まとめ

皆さんは、これらのソフトウェアが、ロシア人によって作られたものだったということを知っていたでしょうか?

ロシア人の手によって、世界で活躍するソフトウェアが作られたということを踏まえれば、「ロシアには優秀なエンジニアが多い」ということも、少しは納得できたのではないでしょうか?

テクノソリューションは、そのような優秀なロシア人エンジニアと日本企業のあいだでのオフショア開発や人材教育などを行っていく予定です。

ぜひ、ロシア人エンジニアとも協力して、システム開発を手がけてみてはいかがでしょうか!